タイトル
MUSEUM ARCHIVES

パスツール博物館

細菌学者の美しき人生の痕跡

フランスの生化学者・細菌学者であり、狂犬病ワクチンの開発や分子の光学異性体の発見などで知られる " Louis Pasteur / ルイ・パスツール "。

近代細菌学の開祖と称される彼が、1887年に開設したパスツール研究所の館内には " Presentation du Musee Pasteur / パストゥール博物館 " がひっそりと設けられ。

パスツール博士の住んでいた部屋や、当時の研究の貴重な資料や絵画の数々を、美しい建物の中に観る事が出来ます。

ルイ・パスツール

ルイ・パスツール,化学,博物館,アンティーク,フランス,パリ

フランス、ジュラ地方の皮なめし職人の息子として生まれた " Louis Pasteur / ルイ・パスツール " は、やがてパリの高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリウール)に入学後、化学者としての道を歩みます。

低温殺菌法や、嫌気性菌(空気や酸素なしに増殖する微生物)発見し、1895年、微生物学で最高の栄誉であるレーウェンフック・メダルを受賞。

さらにワクチン予防接種という方法を開発し、狂犬病ワクチン・ニワトリコレラワクチンなどを発明するなど、その業績は多岐に渡り。そんな彼によって1887年に開設されたパスツール研究所では、今も研究機関として様々な研究が行われています。

そんな研究所の敷地内にあるパスツール博物館の扉を開くと、ひんやりとした空気をまとった美しい内装が待ち構えています。

  • ルイ・パスツール,化学,博物館,アンティーク,フランス,パリ
  • ルイ・パスツール,化学,博物館,アンティーク,フランス,パリ

階段を登り、その中部へと入り込むと、そこは当時の研究に使われていたフラスコや顕微鏡、様々なサンプルの数々が並ぶ部屋。

  • ルイ・パスツール,化学,博物館,アンティーク,フランス,パリ
  • ルイ・パスツール,化学,博物館,アンティーク,フランス,パリ
  • ルイ・パスツール,化学,博物館,アンティーク,フランス,パリ
  • ルイ・パスツール,化学,博物館,アンティーク,フランス,パリ

自然発生説の否定の為に、自ら考案した「白鳥の首のフラスコ」などを含む、貴重な研究器具の数々が整然と並びます。

その後は、彼の書斎や食堂、過去に受賞したメダルを納めたショーケースなど、当時の家具と研究具に彩られた美しい部屋々を観て回る事ができます。

  • ルイ・パスツール,化学,博物館,アンティーク,フランス,パリ※ 狂犬病にかかった犬のサンプルのビンを見つめるパスツールの肖像画
  • ルイ・パスツール,化学,博物館,アンティーク,フランス,パリ※ パスツールの書斎
  • ルイ・パスツール,化学,博物館,アンティーク,フランス,パリ
  • その一室の壁に掛けられた絵画は、狂犬病にかかった犬のサンプルが納められたビンをじっと見つめるパスツールの肖像画。

    階段を降り、今度は地下へと向かいます。

    1895年パリ近郊で没したパスツールは、ノートルダム大聖堂に葬られた後、遺骸はこのパスツール研究所の地下聖堂に改葬されました。

    そんな地下聖堂への重い扉を開くと、大理石とモザイク画から成る美しい空間、パスツールの眠る場所です。

    一人の学者の、研究への情熱と私生活を垣間みる事のできるこの博物館は、同時に今もパスツールの眠りをそっと見守っているのです。

MUSEUM ARCHIVES